【日本語文法:N1】「〜をよそに」:無視して、気にしないで


1. はじめに

「〜をよそに」は、
周りの状況・反対・心配・期待などを気にせずに行動すること
を表す、少し硬い表現です。

主語は基本的には です( 組織・現象 の場合にも使われます。)
そして重要なのが、やや批判・意外性のニュアンスを含むことが多いという点です。


2. 接続

導入例①

姉の恋人は、留学中に出会った人です。

姉は彼と結婚したいと思っています。

でも、違う国の人と結婚するのは、色々と大変です。

文化の違いや習慣、ビザの問題などいろいろ大変です。

ですから、両親は・・・

両親は結婚に反対。

でも、姉はそんなこと気にしません。彼のことが大好きです。ですから、

導入例②

祖父は、今年90歳です。趣味は、登山です。

家族や友人は、祖父が一人で山に登ることについて、あまりよく思っていません。

危険ですから。しかし、祖父は気にしません。一人で登山へ行ってしまいます。

名詞 + をよそに

  • 両親の反対をよそに
  • 周囲の心配をよそに

3. 意味

「〜を全く気にしないで」
「〜に関係なく、あえて・わざと(意外な行動を)する」

多くは批判・驚き・呆れを含む評価が入ります。


4. 例文

  • 周りの心配をよそに、彼は危険な山に登っていった。
  • 大雪警報をよそに、子どもたちは外で元気に遊んでいる。
  • 親の反対をよそに、彼女は海外で仕事を始めた。
  • 社員の不満をよそに、会社は新しい制度を導入した。

5. 使用上の注意

後件は 話し手の評価・批判・驚き を含む文(その状況を無視したような行動など)

  • 意外な行動や、周囲と対照的な行動
  • 客観的な状態描写ではなく、話し手の視点(評価など)が必要

後件が「単なる事実描写」だけでは不自然

  • × 台風をよそに、風が強い。
    → 評価がなく、自然に見えない。

命令・依頼とは基本的に使わない

  • 周囲の反対をよそに、頑張ってください。
    → 不自然。

自分自身にあまり使わない(例外は強調目的のみ)

  • 例:私は周りの声をよそに研究を続けた

6. 類似表現との比較

文型意味ニュアンス
〜をよそに周囲の心配・反対を無視して行動批判・驚きがある
〜にかかわらず条件が変わっても関係ないニュートラル
〜にもかかわらず逆接(予想外の結果)評価は入るが無視とは限らない
〜をものともせず困難を恐れず勇敢に行動ポジティブ

7. まとめ(ポイント)

  • 「〜をよそに」= 周りの状況や感情を“無視”して行動する
  • 接続は 名詞+をよそに
  • 後件は 評価(批判・驚き)が入る文
  • 事実描写だけの文章には使えない
  • 類似表現の中でも 無視感・非協調性が最も強い

【練習問題】「〜をよそに」

◆ 1. 選択問題

(1)住民の反対をよそに、(  )。
A. 町は新しい高速道路の建設を進めた。
B. 建設が進むだろう。
C. 建設してください。

(2)大雨警報をよそに、(  )。
A. 歌うつもりだ。
B. 外で歌うべきだ。
C. 彼は外で歌っていた。

(3)社員の不満をよそに、(  )。
A. 導入するはずだ。
B. 会社は新しい制度を導入した。
C. 導入してください。


◆ 3. 説明として正しいのは?

(4)
山田さんは周囲の反対をよそに、海外での起業を決めた。

A. 山田さんは周囲の意見をよく聞いた。
B. 山田さんは周囲の反対を気にしなかった。
C. 山田さんは起業するかどうか、まだ決めていない。


【解答】

(1)A
(2)C
(3)B

(4)B


以上、Hotasyでした!

Hotasy_JPgrammar

元プログラマー(底辺)で、 日本語教師5年目のアラサーです。

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